夫婦が離婚する方法としては、裁判離婚があります。協議離婚でも調停離婚でも相手と離婚について合意ができない場合には、裁判によって離婚をするしかないのです。
相手の不倫が原因で離婚する場合、裁判離婚の場で相手に慰謝料請求をすることができますが、裁判で不倫を認めてもらうためには、必ず証拠が必要です。
そこで今回は、裁判離婚の手続きと、手続きを有利に進めるための調査報告書の重要性について、ご説明します。
1.裁判離婚とは
夫婦が離婚する場合の手続きの方法には、協議離婚と調停離婚、裁判離婚があります。(審判離婚もありますが、ほとんど利用されていません)
最もポピュラーなのは協議離婚ですが、相手が離婚や慰謝料支払いに応じない場合には、合意ができないので協議離婚は不可能です。すると調停離婚を試みることになりますが、調停では、当事者に結論を強制できないので、お互いが合意出来ない限り、調停は不成立になってしまいます。この場合、放っておくと離婚ができないので、手続きを先に進めたければ離婚訴訟を起こすしかありません。これが裁判離婚による離婚方法です。
裁判離婚は訴訟の1種なので、調停までの話し合いによる解決方法とは異なります。
訴訟では、当事者の主張内容や提出した証拠を見て、裁判官が、法的な観点から解決方法を決定してしまいます。
離婚するかしないかも判決で決定されるので、相手が離婚を拒絶しているケースでは、こちらが夫婦関係破綻についての有効な証拠を出せないと、離婚そのものが認められない可能性もあります。
もちろん、不貞の証拠についても同様で、こちらが相手の不貞を立証できなければ、慰謝料を認めてもらうことはできません。
2.離婚訴訟における調査報告書の役割
離婚訴訟を起こすとき、探偵社が作成した調査報告書の存在は極めて重要です。協議離婚や調停離婚では、誰かが証拠によって認定をするという手続きではないので、調査報告書がなくても相手が不倫を認めたら、慰謝料を支払ってもらうことも可能です。
また、不十分な証拠であっても、相手が納得したら慰謝料の支払いを受けられます。
これに対し、訴訟ではそういうわけにはいきません。離婚訴訟では、裁判所に「配偶者に不貞行為の事実があった」という心証をもってもらうために必要な立証が必要です。証明ができていない事実は認められないので、不十分な証拠では、不貞を認定してもらうことができません。
そこで、事前にしっかりと相手の行動調査をして確実な不貞の証拠をとっておくことが何より重要になってきます。
裁判所では、探偵社・興信所の報告所で相手の浮気がばっちり証明できる場合、ほとんどのケースで不貞を認定してくれます。
このようにして、裁判所が「不貞行為があった」と考えてくれたら、判決において相手に対し、慰謝料の支払命令を出してくれます。そうすると、相手がどんなに拒絶していても、慰謝料の支払に応じざるを得ません。判決を無視して支払をしない場合には、相手の預貯金や給料などを強制執行(差し押さえ)することも可能です。
このように、離婚訴訟の場面では、調査報告所があるのとないのとでは、雲泥の差が発生してくるのです。
3.調査報告書は全面開示する
手元に相手の浮気を証明するための調査報告書があっても、協議離婚や調停離婚の段階では、その存在を相手から隠しておくケースがあります。たとえば、相手が不貞を否定して激しく争っており、競技や調停ではとうてい離婚問題を解決できそうにない場合には、先に調査報告所を見せてしまうと、こちらの手の内を明かすことになって不利になってしまうことがあるからです。
こうしたケースであっても、裁判に至ったら調査報告所を全面開示し、裁判所にしっかりと内容を確認してもらう必要があります。
もともとが裁判所に認定をしてもらうための調査報告書ですから、裁判になった以上はもはや隠す必要がありません。
裁判で使える可能性がある不倫の証拠としては、他にメールや写真、デートの際の領収証などが考えられますが、調査報告書は、そのようなものよりも直接的でよほど効果的です。
4.離婚手続きをする前に調査報告書を手に入れる!
以上のように、離婚訴訟を起こす場合には、相手の不貞を確実に押さえた調査報告所が極めて重要となります。
裁判離婚以外の協議離婚、調停離婚のケースでも、話合いを有利に進めるためにはやはり調査報告書が必要です。
今、相手の不倫を疑っている場合には、具体的な離婚手続きを始める前に、まずは相手の行動調査をして、不倫の証拠をとっておくことをおすすめします。
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